豪ドル/円相場は、98~100円水準で揉み合う展開に。キプロス発の欧州債務危機が警戒される中、豪ドル高・円安傾向は一服した。ただ、リスク志向の投資環境が維持される中、本格的に豪ドル売り・円買いを仕掛けるような動きはみられず、下値不安は限定されている。100円の節目を前に足踏み状態になっているが、特に値崩れを起こすには至っていない。
豪ドルに関する独自材料は乏しい。19日に公開されたオーストラリア準備銀行(豪中央銀行)金融政策決定会合の議事録では、豪経済が半世紀ぶりの低金利に反応する兆候があるとの見方が示されるも、追加利下げが必要となる可能性についても言及しており、マーケットの評価は割れている。基本的には早期の追加利下げをイメージさせるような状況にはないが、未だに利下げカードも検討対象になっていることが再確認された形であり、決め手に乏しい。ただ、対米ドルでは豪ドル高傾向が続いていることに象徴されるように、2月までみられたような追加利下げに傾斜した金融政策見通しは修正されているため、豪ドルの下値不安は限定的だろう。
一方、円サイドでは黒田日銀総裁が経済諮問会議に出席し、量的・質的に大胆な金融緩和を進めると発言した模様。特に具体的な政策手法についての言及は無かったが、できるだけ早期に2%の物価目標を達成していくことが日銀の使命と言及されている。来週には日銀定例会合が控えており、追加緩和期待が円売り圧力として機能する展開は続く見通し。日銀会合で短期的な円売り材料出尽くしとなるリスクを警戒しつつも、豪ドル買い・円売りスタンスで臨むべき相場と考えている。
今後1週間の予想レンジは、97.75~101.00円。